今年はよく人の死に遭遇する

 

大切な人の死ばかりだ

 

私の大切な人たちが大切な人を亡くして泣いている

私はやっぱり今回も涙が出ない

何故だろう

 

その人は毎日朝晩神様に拝んでた

毎月1日と15日は神棚を一掃し綺麗にしていた

神様に拝んでた

 

いつもいつも

雨の日も晴れの日も

風邪でも熱があっても

大きいシワシワの手を合わせて

毎日毎日拝んでた

 

正座をして威厳があって

野太い声でたくさん拝んでた

そんな背中を見て育った

 

年々声はしゃがれていき

正座さえもできなくなって

それでも手を合わせていたなあ

 

その人の愛しい人がこの春亡くなった

眠るように亡くなった

 

そしてその人を追うように

また眠るように亡くなった

 

苦しかったのだろうかわからない

起きた時には冷たくなっていたのだ

医者を呼んだ時には硬直が始まっていたのだ

 

枕経があげられる

 

死後その人が不安に打ちひしがれないよう

道に迷わないよう

途中で喉が乾かないよう唇を水で濡らす

この人の愛しい人が亡くなった時もそうしたのだ

 

少し開いた唇から水が落ちてゆく

まるで飲んでるかのように水が口内へ流れてゆく

 

安らかに眠ってるその人は

一体何を思ってるのだろうか

 

この死から私は何を学べるのか

何を感じられるのだろうか