女性として男性として人間として

 

女性として生まれてきて良かったと思ったことが一度もない

 

小学生高学年以降からは胸が膨らみ始め

生理も始まり運動能力も異性に劣り身長も伸び悩んだ

中学生以降は部活動では

異性に圧倒的な力の差を見せつけられ

女で生まれたことを呪った

 

生理の兼ね合いで

学校や体育の授業を休まなければならなかったり

陸上競技に至っては

胸が邪魔で綺麗なフォームで走れた試しがない

胸が揺れると痛いし幾度となく切り落とそうと思った

無差別に女性というだけで痴漢に遭う

 

思春期では剃毛がどうとか言って身体の毛を剃り落とし

生えてきてはチクチクして

チクチクしては剃って

何してんだと思いながら毎日を過ごした

 

太りやすくなった

浮腫みやすくなった

 

眉毛を整え、そのうちメイクも覚えて着飾らなくてはならなくなった

そうするとブスはより浮き彫りとなり

女性・ブスというだけで周囲からは好奇の目に晒される

いじめにも遭ったしいじめにも加担した

女社会、学校社会というものは残酷である

 

アルバイト先では仕事はできたが

後から入ってきた年齢は上だがかわいい人の方が

上司から気に入られて時給やシフトに差がついた

女は顔面なんだと昔から思ってはいたが

ここで実体験に基づき確信に変わった

 

整形すればこれはなんだと揶揄され

社会に出れば結婚してもしなくても昇進の話はなく

独身の年齢がある程度上になってから持ちかけられるようになった

男性は結婚したり子供が生まれたりすると

どんなに無能でも周囲からの信頼がなくても

目に見えて昇進していく

ここでもかと思った

 

子供を授かる予定さえないのに

毎年の婦人科系の検診は受けさせられ

到底人間がなるものとは思えない椅子に座らされて

脚だけガバッと広げられる

ここでこの体勢で出産するとなるとそんな予定がないこの私でさえなぜあんな滑稽な体勢にさせられるのだろうか、どうして人間として生物学的女性として生まれたのだろうと呪い気が滅入る

毎回人工的で無機質な冷たさを伴うクスコを突っ込まれ

綿棒でぐりぐり粘膜を採取される

冷や汗が止まらず生理でもないのに検診後は血が出ることもある

何が好きでこんなことせねばならんのか

 

なるかわからない子宮頸がんのワクチンに何万円も払って

それも定期的に打たなければならないとかそうじゃないとか

乳癌検診では乳をこれでもかというほど潰され

これがまた本当に痛いし痛いし痛いのだ

 

21世紀なのに

アトムがいてもおかしくないのに

AKIRAのネオ東京でもおかしくないのに

もっと技術は進歩していてもおかしくないのに

 

色んな情報が錯綜している中真実を見極める力が必要だ

自分がこれ以上不幸にならないためにも人を見る目は重要で

欺き欺かれるそんな人間社会にほとほと呆れたものだ

 

男性も男性で、男だからという理由で責め立てられたり

男性だからという理由で女性の方が優位になったり

重要なポストを任されたり

結婚して子供がいるのが一人前だと言われて

男なんだから優しくしなさい

男なんだから我慢しなさい

男なんだから男なんだから男なんだから

 

呪いのように囁かれ続けた言葉は今も

鎧のように足枷のようになっているだろう

 

男とか女とか疲れませんか

 

来世はもう疲れたが

タツムリやナメック星人のように雌雄差のない

世界線になった時は是非お願いしたいものだ