うんこおしっこ

 

女子トイレはいつも行列だ

 

いつでもどこでも行列だ

 

小さい女の子が並んでた

お母さんと手を繋いで並んでた

もういやや〜我慢できひん〜

漏れる〜我慢できひん〜

足をもじもじさせて

足をバタバタさせて

大粒の涙ポロポロポロポロ流しながら

ずっとお母さんに訴えてる

 

もうちょっと

あともうちょっと

お母さんはなだめるけど

 

そんなの我慢できるわけないよね

だって瀬戸際なんだもん

 

私は普通に並んでたけど

前に2〜3人女の人が並んでた

若い女の人

おばちゃん

おばちゃんの友達らしき人

 

若い女の人はイヤホン聞いてて

マイワールドに行っちゃってるし

 

おばちゃん達はぎゃはぎゃは笑ってて

そんな女の子の方なんか目もくれない

 

私が一番前に待ってたらな

ほら!はよいき!

って順番代わって先に行かせてあげたのにな

 

なんで見て見ぬ振りなんだろう

 

私はずっと考えてた

 

ちょっと若いお姉さん

小さい女の子がトイレしたいって

泣いてるから、代わってあげようよ

 

ちょっとおばちゃん

小さい女の子がトイレがんばって

我慢してるんだから、

ここは喫茶店じゃないんだから

もう少し静かにしようよ

 

そうこうしてる間に

私が一番前に並んでて

 

小さい女の子とお母さんに

声をかけようとしたら

優先用トイレに行っちゃった

 

近くに車椅子の人がいないか、

身体の不自由な人がいないか、

すごく気を使って周囲を確認してたな、

あのお母さん

 

私も小さいころ

トイレで並んでて

漏れそうだと泣いたことがあった

何度もあった

ひゃっぺん、にひゃっぺん

いや、千度はあっただろう

数えきれないぐらいあった

 

4番目に並んでたお姉さんが気づいてくれて

お先にどうぞ

笑顔で順番譲ってくれた

 

その前にずっと並んでた

おばちゃんも、私のお母さんぐらいの人も

若い女の人も、学生みたいな女の子も

 

あ、じゃあしかたないよね

漏らしたら大変だ!

扉が開いたらお母さんと一緒にいくんだよ!

ゆっくりでいいからね!

 

そんなことがあったなぁと

 

私がその4番目に並んでたお姉さんみたいに

大丈夫ですか?

(私の前にはなんにんか並んでるけど)

お先にどうぞ

 

勇気を出して言ったらな

女の子はもっと早く行けたかもしれない

泣かなかったかもしれない

他の人も気づいて

あ、どうぞどうぞ

ってなったかもしれない

 

すごくすごく申し訳ない気持ちになった

 

 

 

結果的にその女の子は間に合ったみたいで

笑顔でお母さんと手を繋いで帰っているのを

後ろ姿だけど見ることができた。

 

私には小さいころに

順番を譲ってくれたお姉さんと

必死で

あともうちょっとや!がまんがまん!

なだめてくれたお母さんの記憶があるけど

 

あの女の子には

順番を譲ってくれたお姉さん

の、記憶は無いんだなと思うと

なんだかとっても悲しくなった